食パンに含まれるグリホサートの残留調査、学校給食の食パンに含まれるグリホサートの残留調査が農民連食品分析センターから報告されておりそれぞれのリンクから確認できます。
グリホサートは除草剤ラウンドアップの主成分です。1990年代後半から遺伝子組み換え作物(GMO)とセットで使われてきました。「あらゆる植物を枯らす」ラウンドアップ除草剤でも枯れないように遺伝子組み換えされたラウンドアップ耐性作物は大豆などでよく知られています。2015年にWHOによってグリホサートが発がん性物質に分類されて以降各方面から安全性が問われています。
小麦は遺伝子組み換え作物ではない(NON-GMO)にもかかわらずなぜグリホサートが検出されたのでしょうか?
小麦の収穫前に除草剤をまいて小麦を枯らしてから収穫すると日程調整もでき効率的に収穫できるそうです。これをプレハーベストといいます。この方式はずいぶん前(20-30年前)から行われている収穫方法でアメリカやカナダからの輸入小麦のほぼすべてからグリホサートが検出されるとこちらに報告されています。
WHOの発表以来世界で使用禁止が広がっている中でなぜ日本だけが残留基準値を広げるのか?(小麦の場合グリホサート残留基準値は2018年12月5ppmから30ppmに緩和)
検出されているグリホサートは1ppm以下の値であり変更前の基準値に対しても低い値であり取り立てて議論する意味があるのか?ごく微量でも腸内細菌に悪影響がある!など各方面から様々意見がある中で安全なパンを製造、提供する立場でどう考えるか?
調査結果から明らかな事実を整理すると
・国産の小麦からは検出されていない。(日本ではプレハーベストはされていない)
・全粒粉は強力粉に対し残留値が高い
安全なパンを提供するために安全な工程で作られた小麦を使うという観点から
・全粒粉に関しては表皮への暴露を避けるため、除草剤や他の農薬を使わないで生産された小麦、すなわちオーガニックを使う。これによって安心して栄養価の高い胚芽や表皮を含む小麦をいただくことができます
・強力粉に関してはオーガニックか或いは国産の小麦を使う
具体的にドイツパン工房Hiroseの商品では
・1シリーズ(サワー種を使ったパン)2シリーズ(酵母を使ったパン)に使う粉は全粒粉、強力粉ともオーガニックとする。(現在は全粒粉、強力粉とも国産通常栽培品)
・3シリーズ、4シリーズ(ブレッツェルなど小型パン)に使う強力粉は国産(これまで通り)とする
方針で価格やセット内容を見直します。
小麦全粒粉は国産オーガニックの麦粒を自家製粉する予定です。材料は高価です。強力粉は国産オーガニックの粉を使いますが価格は国産の通常品の何倍もします。パンの価格の見直しが避けられない事ご了解いただけますようお願い致します。
1-14 オーガニック小麦の全粒パン
(石川県産オーガニック小麦粒を自家製粉した全粒粉を使用)
1-7 オーガニックヴァイツェンミッシュブロート
(カナダ産オーガニックライ麦全粒粉と北海道産オーガニック小麦強力粉を使用)
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