酸味がない!
- Shinji Hirose
- 3月28日
- 読了時間: 3分

都内のパン屋巡り、2023年はサワードウブレッドとの出会いがあり何と2024年の”Hiroseのパンシリーズ”に繋がりました。2024年のパン屋巡りはこれまたサワードウブレッドにテーマを絞り広尾あたりまで出かけました。ここのパン屋さんは一見民家のようなところですが入り口の戸を開けるとサワードウブレッドで溢れ、空いたところにカルダモンロールが居すわるといった具合です。イチオシのサワードウブレッドを購入し持ち帰って食べてみると、
あれ!酸味がない!Hiroseのパン_プレーンの酸味も弱いですがそれと比べてもはっきりと酸味がないことがわかります。(ここまでは2024年、以下2025年3月作成)
サワードウブレッドの酸味については失敗事例からわかったことがあります。
3-6 ”朝のパン”、このパンはイーストを使わずサワー種だけで発酵しますが

一次発酵2時間後成形し二次発酵を2.5時間とり、その後冷蔵庫に一晩置きます。失敗というのは恥ずかしい話で二次発酵2.5時間後にホイロから出して冷蔵庫に入れて帰宅するところをホイロから出さずにそのまま帰宅したんです。翌朝工房でホイロを開けてびっくり。しかし生地のボリュームはそれほど大きくはなく“これはいけるかも”と期待してオーブンに入れました。写真の左がそのパンです。これを試食してまたびっくり!ライ麦パンより酸味が強く商品にはできず50個廃却処分!ちなみに写真右が正常な本来の”朝のパン”です。外観はほぼ変わりません。
ドイツのパン屋研修でシェフによく言われたことですが"酸度”についてはお客さんの好みに合わせることが大事。日本では多くの場合味覚として強い酸度は敬遠されます。
酸度をコントロールするにはどうすればいいのでしょうか?今回もルッツガイスラーさんの本から抜粋してみます。

これらはあくまで傾向であり各パラメータの影響度の大小や複数のパラメータが重なった場合の影響など実験計画法でも使って明らかにすることなんでしょうが現実的ではありません現在のサワードゥブレッド”Hiroseのパン”をさらにマイルドにするにはどうしたらいいでしょうか?この表から読み取ると
1.TAをできる限り高くする。TAとは粉を100とした時の水分量に100を加えた値です。現在のHiroseのパンはTA177、粉100に対して水77です。水分割合が高い1-19”チャバタ”ではTA188、ですからこの辺りまでは高くすることが出来そうです。
2.加塩。どの程度の効果があるかは実践してみないと分かりません。
粉の灰分については強力粉が主体の生地には少なく、全粒粉が主体の生地には多くなります。失敗事例にもありましたが熟成時間は短い方がいいのですが条件を固定して実際に実験してみる必要があります。
さて、どんな結果になるか、こうご期待
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