11月から始まったシュトレンの製造も今月25日をもって終了しました。本来ならば開始前にお知らせすべき今年のシュトレン方針を書きだす時間もありませんでしたが、ここでお客様の声も含めて振り返ってみたいと思います。
1.2017シュトレンの方針
ーードイツの基準に合わせ、さらにオーガニック材料を使用
ドイツの食品ガイドブック(Lebensmittelbuch)にシュトレンが定義されており粉100に対して “バターの量は30%以上" ”ドライフルーツとナッツは60%” と書かれています。パン工房Hirose の2017シュトレンはこの定義を満たそうと昨年よりバターを増量しました。更に材料にもこだわりました。北海道産の強力粉に1:1の割合で混ぜる小麦全粒粉は北海道産の麦粒を製粉機で挽いたばかりのものを使います。四つ葉バター、中沢サワークリーム、はちみつは昨年と変えず、ナッツやドライフルーツは思い切ってオーガニック品を使いました。アーモンドは当初は通常栽培品のカット品でしたがこれも途中からオーガニック品に変えています。クルミ、レーズン、オレンジピール、レモンピールは当初からオーガニック品です。
製造プロセスは昨年と同様、強力粉、イースト、水を捏ね発酵種を作り、それに挽いたばかりの全粒粉、塩、シナモン、ナツメグ、カルダモン、サワークリーム、バター、はちみつを混ぜしばらく置いてアーモンドとクルミを混ぜます。ラム酒抜きの場合はこの段階で生地を取り出しドライフルーツを混ぜます。残った生地にラム酒に漬けたレーズン、オレンジピール、レモンピールを混ぜて捏ねが完了します。しばらく置いて成形。今回は形を重視した成形法を考えました。来年のシュトレン教室で披露します!
2.お客様の声
美味しかった!という声は耳にしますが数少ない詳細なコメントをここに載せてみます。
・胡桃やレーズンの量、シナモンの香味、そしてあれはドイツパンの特徴なのか?ちょっとした酸味と砂糖の甘さとのコラボが良く、他のお店のシュトレンより際立っていてとても美味しいと思います。
・オレンジピールが好きな私には、もっとフルーツ感があればよかったかな、と感じ
・ナッツの食感をもっと楽しみたいな
・甘さ控えめ、ということのようですが、けっこう甘く感じました。
・ラップに砂糖のコーティングがくっついてしまい、ちょっともったいなかったです。包装の仕方は難しいかもしれませんが、せっかく苦労して作ってくださったシュトレンを、ありのまま楽しみたいです。
・サイズは大きすぎず、小さすぎず、ちょうど良い感じでした。(<= 250gに対して)
・お試しサイズの小さいシュトレンもあったらいいな。
・シナモンの香りがもっとしっかり出るとさらに好きです。
・フルーティーな香りが好きなので、もう少しドライフルーツ(?)が入っているとうれしいです。
・砂糖のコーティングが思いのほか強い感じで(甘みが強いので)、フルーツ、ナッツ類の個性が沈んでいるような感じがします。これは個人の好みの問題かなという気もしますが。
・他方で、全体のバランスが良い、フルーツ、ナッツ類の個性が控えめな方がよいのではないか、という意見も。
・食べていると、もう一切れ、もう一切れ、という感じでどんどん食が進みます。
・切り分けるときに、砂糖のコーティングがバラバラにならない切り方はないものでしょうか。
・甘み、香り、食感、いずれも突出した点はなく、かといって欠けている点もなく、バランスの良さが非常に気に入りました。まわりの砂糖も個人的には上品な甘さに押さえられており、好感が持てます。
・シナモンが強すぎるとアップルパイのような感じになってしまう気がすることもあるのですが、シュトレンとしての個性を引き立たせる名脇役として、少し控えめな程度で十分だと感じました。
・ドライフルーツが大好物の私個人としては、もっとフルーティーな感じを出してもいいのかな、と感じました。ナッツ類の個性を強調するとバランスを崩しそうなので、今回くらいの分量でちょうど良いのではないかと感じました。
・シュトレンの保管はどうしたら良いのだろうかと悩んでいます。そのまま常温保存していたら、まわりの砂糖コーティングが一部溶解しており、ちょっとだけですがベトベト感が出てしまいました。湿度に敏感なせいでしょうか。
3.全粒粉シュトレンについて
全粒粉100%の粉を使い自家製酵母で発酵させる場合発酵時間を十分とらないと焼成時に表面に割れが出て形が歪になります。標準のシュトレンと同じ生地、同じ工程でできないのは作る側としては手間がかかります。
4.来年に向けて
・材料はこのままとし、ドライフルーツの増量を検討します。ただしオーガニック材料はコストが高いため製品価格の見直しをする必要があるかもしれません。
・お試しサイズは検討課題です
・全粒シュトレンはリストから外したいと思います
・贈答用にも注力します
最後までお読みいただきありがとうございます。
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