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  • 執筆者の写真Shinji Hirose

米粉パン-その1


きれいな水、寒暖の差が激しい気候の中で育つ坂内の米は格段に美味しい。この地域でドイツパンを焼いているが「いつか坂内の米を使って米粉パンを作りたい」と思っていたもののきっかけがなくそのままになっていました。米粉パン専用米粉を購入したものの既に1年が過ぎ。。。

きっかけを与えてくれたのは酒粕酵母でした。(前回ブログ参照)酒粕酵母で小麦粉をこねるとグルテン組織が破壊され弾力がなくなるんです。おかしい、おかしい!と思いながら調べてみると原因は酒粕酵母の中のプロテアーゼ、グルテン組織を破壊するが米粉を膨らますのに効果があるらしい!

このプロテアーゼは米麹にも含まれているとのこと。そこで考えたこと、「通常の小麦粉のパンは発酵によって生じたガスをグルテン組織が閉じ込めることによって膨らむが、ライ麦パンはグルテンが少なくライ麦を発酵させたサワー種というパン種によって膨らませる」これと同様に「グルテンフリーの米粉に米を発酵させた米麹を加えて作ったパン種を使って膨らませる米粉パン」ができるはず!

というわけで米粉パンを実現しよう!という動機づけが出来上がりました。ターゲットは

坂内産の玄米、米麹、塩だけを使った米粉パン!

市場には米粉パン専用に特殊加工した米粉を販売している例もあり、そうではなく地元産の米粉を使う事が必須です。

イーストは要らないと考えたのは「ライ麦パンはサワー種だけで膨らむ」からです。サワー種には乳酸菌が多く含まれ酵母菌も含まれています。米麹で玄米粉を発酵させた種の成分、特に酵母菌の割合は調査要ですが、比較のためにイースト有り無しでテストしました。

詳細条件:坂内産玄米粉160g、米麹10%、水160g(TA200) を55℃±5℃で18時間:

(結果的には過発酵で発酵臭が強烈!5時間で漸く気泡が発生しており5-18時間のどこかに最適時間がある)

この発酵種に塩2%、坂内産玄米粉80gを追加し、生イースト2%を加えたものと加えないものをトライ


左:イースト無し 右:イースト有り

結果:イーストは必須の様だ => サワー種には酵母が含まれるが米麹のパン種には酵母が含まれていないからか?

食感はよいが発酵臭はチーズのような甘酒のような臭いが強く、このままでは商品にならず。

次のテーマ

・発酵臭が許容できる発酵時間をつかむこと 

・精米した白米では臭いがどうか及び膨らみ度合はどうかを調査

(写真は右がイースト有り、左は無し)


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